絵本のキャラクターって、どうつくっていけばいいんだろう?
『小池一夫のキャラクター創造論』という本を読んだところ、
「こういう観点からキャラクターをつくっていけばいいんだ!」
とキャラクターづくりのポイントが分かりやすく書かれていました。
小池一夫さんは、漫画の原作や脚本をされていた方ですが、
キャラクターの世界観をしっかり設定しておくことは、
絵本づくりでも役立つことです。
この記事では、『小池一夫のキャラクター創造論』(小池一夫/著)を参考に、
キャラクターづくりのポイントをまとめています。
主人公のキャラクター
主人公のキャラクターを考えるポイントは次の5つです。
- 夢、願い
- オーラ
- 弱点
- くせ
- アイテム
一つずつ見ていきます。
夢、願い
夢、願いによって、主人公が目指す方向が決まります。
主人公の「夢、目的」へ向かう道のりと、
そこにある「謎」、
そして主人公の邪魔をする「敵役」
これらの要素が読者を引きつけます。
オーラ
オーラは、その人の内面から溢れ出る、光やエネルギーのようなものです。
いっしょにいて何だかなごむ人、
逆に威圧感を感じる人、
あなたのまわりにもいませんか?
主人公には親しみやすい「プラスのオーラ」を。
敵役には「マイナスのオーラ」(=カリスマ性)をつけます。
弱点
主人公には弱点が必要です。
何の弱点もない完全無欠のキャラクターは、読者の感情移入がしにくくなります。
強くて憧れの人にも、弱い部分があることを知ると、
ぐっと親近感を感じますよね。
またサイボーグのような身体なのに、
一部、この部分だけは弱い、という設定であれば、
戦いでそこを突かれたら、読者はハラハラします。
主人公の「弱点」に対して、敵役には「欠点」を与えます。
欠点は冷血、無慈悲、手段を選ばない、など共感できない部分です。
くせ
くせは、キャラクターの内面が漏れ出したものです。
- キャラクターを特徴づける
- 内面を「見える化」する
口ぐせ、決めゼリフ、特徴のある口調があれば、
聞くだけでだれが言っているのか分かるでしょう。
こぶしを強く握る、ひたいに指を当てる、など、
仕草は心の状態をあらわすことができます。
アイテム
特徴のあるアイテムをもたせると、
キャラクターを「たたせる」ことができます。
アイテム自体が意味を持っています。
たとえば仏像は、それぞれのアイテムを持っていて、
見ればその仏像の役割が分かるのだそう。
薬壺[やっこ]や錫杖[しゃくじょう]、宝剣などです。
見た目で「どんな人か」「何をする人か」が分かるんですね。
博士タイプなら辞書、
研究者タイプなら虫眼鏡、
記者ならメモ帳、
画家なら絵の具箱…などでしょうか。
まとめ
ストーリーの方向性を決める「夢」
親近感を持たせる「オーラ」と「弱点」
そして、ことばで説明するのではなく、
内面をあらわす「くせ」
性質や役割を、見た目でパッとあらわせる「アイテム」。
キャラクターづくりには、この5つのポイントをおさえてみましょう!