映画『みんなの学校』レビュー

りっぽ
りっぽだよ!

『みんなの学校』という映画をご存知ですか?

大阪市の公立小学校、大空小学校のドキュメンタリー映画です。

 

私は、娘の通うようちえんで「とてもいいよ!」と聞いていて、

ぜひ観たい!と思っていました。

 

りっぽ
2月に市内で上映会が開かれたので、観てきたよ!

 

記憶が薄れないうちに、心に残ったことを書いておきますね。

ネタバレありです。ご注意ください。

(一度観ての記憶なので、間違いがあるかもしれません。ご容赦願います)

映画『みんなの学校』とは?

大空小学校は、2006年4月開校。

2012年度の児童数・約220人のうち、

特別支援の対象となる数は30人を超えていたが(通常学級数6・特別支援学級7)、

すべての子供たちが同じ教室で学ぶ。

 

木村泰子校長の理念は「すべての子どもの学習権を保障する」→「不登校ゼロを目指す」

どんな子どもも受け入れ、すべての子どもが安心して来られる学校づくりを目指す。

『みんなの学校』公式サイト

http://minna-movie.jp/

『みんなの学校』心に残った場面(ネタばれ注意)

分かったつもりになって動くのが一番怖い

ある子どもが学校に来ていない、親に電話してもつながらない…

分からないから、気になるから、自分が行動して確かめる。

憶測で、分かったつもりになるのが一番怖い。

映画の中で、担任の先生が、用務員さんが、

自転車で児童の家へ走るシーンが何度も出てきます。

 

大人になると、頭だけで判断しようとすることが増える気がします。

「他人のことに踏み込んではいけない」という分別も出てくる。

「まあこういうことだろうな」という憶測で済ませてしまう。

りっぽ
でも、本当は違うのかもしれない?

 

何事も「分かったつもり」で現実を見ないことが、

一番怖いのかもしれない、と思いました。

 

大声で叱るのは体罰と同じ

学校は安心していられる場所。

大声で言うことを聞かせるのはNG。

カッとして大声を出すのは、見ている人がいなければ手をあげることにもつながる。

 

頭に来て子どもを叱って、そのまま教室に上がって行ってしまったが、

その後子どもが飛び降りしたらどうするのか。

初めてクラスを受け持った若い男の先生の行動を、校長が戒めるシーンです。

りっぽ
私も娘に対してイライラしてひどいことを言っちゃうこと、よくあります…。

なので、その若い先生の行動もよく分かります

 

でも特に子どもを預かっている場では、何より

子どもの心=子どもの安全が大事なんですね。

 

その子どもの心が、「もう大丈夫」になるまでは、離れてはいけない。

時間がかかっても、待つこと。

(私も定期的に保育に入る機会があるので、心に刻んでおきます)

 

何のためにやっているのかを説明する→考えさせる

全員参加のリレー。

6年生は、支援が必要な児童が多い。

「世界で一番難しいリレー」

どうしたら勝てるのかを考えさせる。

 

バトンの受け渡しの場所はどこがいいのか。

支援が必要な子は経験がないから分からない、それならあなたが何をすればいいのか。

実は私は子どもの頃、学校があまり好きではなかったので、

大人になり子どもを持った今も「小学校へ行く意義」がよく分からなかったんです。

りっぽ
子どもが小学校へ通うことを考えると、ゆううつな気分でした

 

でも、「目的」を理解して、達成するために「自分で考える」こと。

それが小学校で学ぶことならば、意義がある!と思えました。

 

一人一人の成長

水泳100m泳げる子と1mも泳げない子がいたとして

泳げない子が水に浮けるようになれば、その子にとって100の成長。

100m泳げる子が泳げるからと何もしなければ0。

その1時間の中で、一人一人が少しでも伸びることが大切。

 

全国一斉学力テスト

支援が必要な児童には、別室で学力に合わせたことをする。

どの子どもにも「自分の力を試す機会」と説明。

一人一人が今の状態を0として、そこから少しでも伸ばすために「この時間」を使う。

これもしっかりと、子どもに説明する必要がありますね。

あの子はできるけど、私はできない…ついまわりと比べてしまう。

でも戦う相手はいつも「今までの自分」「昨日までの自分」なんですね。

 

我が家の娘(5歳)は赤ちゃんの頃から慎重派。

りっぽ
二人で公園など行くと、怖がってできないことに、ついイライラしちゃうことも!

でもこの1年で、確実にいろいろできるようになっています。

私のいないところで…。

そしてできるようになったことを、うれしそうに誇らしげに教えてくれます。

 

皆で見守る

自分一人で抱え込まない。

ミスしたことはできれば周りに知られたくないと思うけれど、

出してしまえば周りは受け入れてくれる。

出すことで、周りからアドバイスをもらえたり、気をつけて見ていてくれる。

娘のようちえんでは保護者も保育に入るので、このこともとても身にしみます。

りっぽ
私は安全面で「あ、しまった…そうか…」ということが多々あるんですが、

「大人も学び合う」という共通認識があるので、会議の場などで共有しています。

共有すれば、ほかの人も「そういう危険があるんだ」と気をつけたり、

「○○さんはそういう面がある」と自分のことを知ってもらうことで、

全体として子どもの安全を守ることにつながります。

困っていることを伝えれば、なんとなく気にかけてフォローし合うことができます。

 

映画の中でも、ちょっとした時間の合間に先生たちが集まって、

子どものこと、自分の気持ち、アドバイスなどを話し合う場面が度々ありました。

 

大人も間違うし、失敗もします。

大人が皆で子どもを見守る、そして大人同士も見守り合い、学び合う。

そんな大人たちの姿勢が、子どもたちを育んでいくんだと感じました。

 

まとめ

学校教育に関心のある方におすすめのドキュメンタリー映画です!

私自身は、学ぶところがたくさんありました。

りっぽ
できれば何度も観たい、

何度も考えたい。

これからも子どもと育っていく中で、考えを深めていきたいです。