抽象化と類推思考

 

こちらの記事は『スクリプトドクターの脚本教室・初級編』(三宅隆太著/新書館)の内容を参考にしています。

 

既存作品の構造の抽象化と類推

 

既存作品の構造を再利用するポイントは、

利用できそうな作品の具体性、固有性を徹底的に剥ぎ取り(抽象化)、

シンプルな構造のみを引用することです。

 

徹底的に抽象化することで、

そこに自分ならではの世界観、モチーフを盛り込むことができます。

 

既存の物語の構造(中心軌道)を抜き出す方法は、こちらの記事をご覧ください↓

物語の中心軌道を抜き出す

 

類推とは、ある物事を抽象化し、ほかの物事との共通項や関連性を見つけ出すこと。

「何かと何かが似ている」と感じる感覚です。

 

  1. 「何かと似ている」と感じる
  2. その物事の要素を抜き出す(抽象化)
  3. 同じ要素を持つ他の物事を見つけ出す(類推)

つまり、物事を抽象化することで、類推することができるということですね。

 

類推思考とメタ思考

 

類推についてもう少し考えてみます。

 

細谷巧さんの著書『メタ思考トレーニング』の「メタ思考」も「類推思考」と同じですが、

イメージが分かりやすかったので紹介します。

 

メタ思考というのは、

自分が雲の上のような「一つ上の次元」に上がり、

ジャンルの壁を超えて共通項を見つけ出すというイメージです。

 

メタ思考のイメージイラスト
メタ思考のイメージ

 

「メタ」のレベルが上がるほど、

遠くの物事から共通点を見つけ出してくることができます。

 

メタとは…「超越した」「高次の」という意味合いです。

 

類推思考はアイディアの突破口

 

「抽象化」と「類推」は、ふだん無意識にも行っているものです。

 

カラオケで人が歌っている曲を聴いて、

次に歌いたい曲を思い付くことはありませんか?

これはその歌詞や曲調から、

似た要素を持つ曲が連想されて思い出されるのだと思います。

 

イラスト仕事でラフをつくる時に、

描いてみてうまくいかないときは、

内容をいったん消化し、バラバラにして雲の上にあげて、

「デザイン的」などのキーワードで下ろしてくるとうまくいきます。

(分かりづらいかもしれませんが、そんな感覚でやってます)

 

具体ばかりに目がいっていると、視野が狭くなり、

アイディアが出てこないことがあります。

 

皆でアイディアを出し合って考えていても、

その場では同じようなところでしか考えが廻らず、

後日全く違うところから飛躍したアイディアが出てくるということもあります。

 

関係性を感じる

 

関係性は「見える人には見え、見えない人には見えない」もの。

 

複数でアイディアを出し合うとき、

「関係ない」と思うような発言があったとしても、

その人には自分には見えない関係性が見えかけているのかもしれません。

そこから突破口が開く可能性もあります。

 

 

関係性の見え方は、ものの見方(世界観)にも関わっています。

他人の世界観に触れることで、自分の世界観も広がります。

 

また、類推は「何かと似ている」と感じることから始まります。

自分の「感情の動き」に敏感になることで関係性に気付きやすくなります。