子育ての目標はシンプルに一つ

 

初めての子育ては分からないことだらけ…。

3歳頃までは、何とか一日をこなしていくような日々でした。

 

娘が5歳になった今も

思うようにいかなことにイライラしたり、

しつけや接し方に疑問がでてきたり…。

 

子育ての目標とおとなの役割をはっきり意識していれば、

子どもとの日々の指針になるかもしれません。

 

おとなの役割は「子どもをおとなにしてあげること」

 

長谷川集平さんの『絵本づくりサブミッション』(筑摩書房)を読んでいて、

こんな文章がありました。

 

もちろん、人間の中にはいろんなどろどろしたものがあるわけだけれど、

そのどろどろをことさら喜ぶ傾向ってあるじゃないですか。

フリーク趣味というか。

それは、おとなの文学や芸術の中では、一つのジャンルになりえると思うけれども、

児童文学、とくに子どもを読者として考える絵本には、基本的にあってはいけないと思う。

子どもをおとなにしてあげることが、おとなの役割だとぼくは思うわけですよ。

この文章は、臨床心理の女医さんとの対話なんですが、

急にさらりと「おとなの役割」が示されて、はっとしました。

 

「子どもをおとなにしてあげること」

とてもシンプルですが、イコール「自立」ということですね。

 

子どもにしてあげたいこと、子どもによいとされていること、

たくさんの情報があふれていますが、

いちばん大事な幹は、愛情を持って「子どもをおとなにしてあげる」ということ。

 

この幹の部分をしっかり持っていれば、

情報に焦ることなく、楽しんで子どもと向き合えるような気がします。

 

急いでおとなにならなくてもいい。

ゆっくり少しずつでいい。

できないことがあっていい。

年齢ごとの「めあて」なんていらない。

寄り添って、そのままの子どもを見て、いっしょに楽しんでいけばいい。

 

そんな気持ちになります。

 

また、娘の通う森のようちえんの先生が、

保護者たちとの話し合いの中でこんなお話をされていました。

 

「ぼくはある程度、子どもたちに投げちゃってるんです。

きみたちそれで大丈夫なの?うまくやっていけるの?って。

 

自分たちで考えて解決できるようにならないと。

おとなは先に死んじゃうわけだから。」

 

たしかに、私たちはずっと子どもたちを引っ張っていくことはできない。

子どもたちは自分で、自分たちの世界をつくっていかなきゃいけない。

 

私たちは子どもたちにうまくやらせようと、

つい口を出したり、仕切ったりまとめたり、行動を強要したりしてしまうけれど。

(それが必要な場合もあるけれど)

 

子どもを管理しようとすることは、

子どもをおとなにしてあげることとは反しているんですね。

「安全」を管理しながら子どもを見守る。

ということが大切なんだと思います。

 

おとなになる3つの要件とは?

 

では、「おとな」になるって具体的にどういうことでしょうか?

アドラー心理学で「おとなになる3つの要件」が示されています。

 

おとなになる3つの要件
  1. 自分の価値を自分で認められること
  2. 自分で決めなければならないことを自分で決められること
  3. 自己中心性からの脱却

(『老いる勇気』岸見一郎/著 より)

 

このアドラーの「おとなになるための要件」、

おとなである私たちも、心に留め、目指すものであると思います。

 

おとな自身「おとなであること」を目指しながら、

子どもを見守り、導いていくこと。

 

「子どもをおとなにしてあげる」という大きな幹を持つこと。

 

育児に余裕が持てないときは、少し力を抜いて、

シンプルにいきましょう。