学校は行くもの?…小学1年の登校しぶりから考えたこと

 

今年小学1年生になった娘。

入学前は学校が楽しみで、やる気満々だったのですが…。

 

小学1年の登校しぶり

 

娘の登校しぶりは、入学して一週間後くらいには始まりました。

初めは、「たいいくがいやだ」と言っていて、

毎回連絡帳に「体育見学でお願いします」と書いていました^^;

 

次第に、体育が理由というより、

母(私)と離れるのがつらいんだと分かってきました。

 

登校班の集合場所で離れられず、

歩いて(または車で)いっしょに登校して、昇降口で泣き叫ぶ→先生に引き離される。

というパターンが多かったです。

 

離れてしまうと、それなりにこなして楽しいこともあるようで、

帰ってくる時にはたいてい元気だったりします。

 

親である自分の学校観

 

実は私自身、もともと学校制度をあまり信用してないんです。

 

私の育った愛知県は、当時「管理教育」が行われていました。

 

小学校から中学半ばまで、体罰が当たり前。

登校時に名札忘れをチェックされ、忘れると校門に立たされる、

授業の持ち物を忘れると、一発叩く先生も多かったです。

ちょっとふざけていたとかで、いきなりビンタされるのを目撃して、

かなり恐怖でした。

 

休み時間や放課後は、友だちと遊んで楽しかったですが、

授業中は緊張して息を潜めていました。

 

中学2年の途中から、ピタリと(ほぼ)体罰がなくなりました。

(何か上からの「お達し」があったのかと)

 

そんな学校時代だったので、

基本的に「学校って楽しいの?」という疑問を持っているのです。

 

ですが、学校を憎んでいるわけではなく、

好きな先生もいたし、高校では勉強する楽しさも知りました。

また父が教育大学の教授だった影響か、教育に興味がありました。

大学は初等教育学部に入り、教員免許を持っています。

 

私は小学校の頃は、「体調不良」でわりと学校を休んでいました。

仮病のこともありました。

親に「行きたくない」と言えなかったのです。

 

学校が「行かなきゃいけないところ」になってしまって、

仮病を使ってまで休む。

子どもにそんなことさせなくていいんじゃないか、と思っています。

 

娘には、小学校に入る前に、

「学校は別に行かなきゃいけないわけじゃないんだよ」

と話していました。

 

なので、「休みたい」と娘がはっきり言う時には

休ませることにしました。

 

夫婦の考えの違い

 

夫は、「学校は嫌でも行くところ」という考えだったので、

初めのうちはなかなかのバトル状態でした。

休むと「なんで休ませた」「理由を言え」「休んで何をしてた」

と、私と娘を問い正し、家庭内が険悪になり、つらかったです。

 

でも、

娘が自分らしく成長することが願いというのは、

夫も同じでした。

 

学校に行かないことは悪いことという意識は、

行けない自分をダメと思わせてしまう。

 

不登校児がどれほどいるか、

逃げ場がなく自殺する子どもだっている、

フリースクールやホームエデュケーションという学び方もあること、

学校に行かなくても、自分の道を見つけることはできること。

 

夫にそんな話をしたところ、

夫も分かってくれたようです。

 

とはいえ、私も夫も、

娘が楽しく学校に行けていたら、それが一番いいと思っているんです。

後の項で、学校のメリットについても書いていきます。

 

教育制度への疑問

 

娘が小学校に入る段で、

「今の学校はどんななのか知りたい」という思いがありました。

 

そして、私が教育実習に行った頃と、

たいして変わってないんじゃないかなと感じました。

 

学習指導要領にそって教えるべき内容が決められていて、

クラス皆が同じレベルのことができるようになることを目標にしている。

 

担任一人で30人ほどの児童を見るためには、

一人一人を見ることより、クラス全体の規律をまとめていくことに

力が注がれるような印象でした。

義務教育標準法では、2021年現在、

1クラスの児童数の上限は、

「学年によって35人〜40人」と決められています。

 

一斉に、みんなで、

というのが、学校制度が重視していることのように感じます。

 

また、私の住んでいる市の公立小中学校では、

学区が決められていることも疑問でした。

 

学齢に達したら、自動的に決められた学校へ行く。

もしそれが強制だとしたら、

合わない場合はつらいのは当たり前ですよね。

 

学びの場は学校だけじゃない

 

2016年文部科学省から

『不登校児童生徒への支援の在り方について』

という通知が出されました。

 

この通知には、

「不登校は問題行動ではない、問題行動と判断してはいけない」

という見解が含まれています。

 

その中には、以下のような学校側の取り組みを求める記述があります。

不登校児童生徒に対する多様な教育機会の確保
     不登校児童生徒の一人一人の状況に応じて,教育支援センター,不登校特例校,フリースクールなどの民間施設,ICTを活用した学習支援など,多様な教育機会を確保する必要があること。

文部科学省『不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)』より

学校に無理に来させようとしてはいけないし、

学校側が、学校以外の学びの場を提案していく。

そして、学校に行かないことは、別に悪いことでもダメなことでもないんだ、

ということを、学校、教師、保護者、子ども、みんなが共有していく必要があると思います。

 

下の記事にあるように、

文部科学省の通知は、今も周知されていないように感じます。

 

学校教育のメリットと、これからのこと

 

今の段階で私が感じている「学校で学ぶこと」のメリットは、

  • 集団生活の中で役割分担や協力をすることを学べる
  • いろんな子どもや先生がいることを知る
  • 基本的な知識や技術を効率よく身に付けられる
  • 給食は栄養バランスを考えられている(はず)

などでしょうか。

 

でも、耐えて耐えて、行かなきゃいけないところではないと思うのです。

 

小学1年生の娘の登校しぶりは、

慣れない新しい環境に不安があるのが理由のようです。

1学期は、昇降口で泣きながらも、

先生やクラスのお友だちが優しく迎えに来てくれて、

時々お休みしながら、なんとか行くようになっていました。

 

娘も、登校すれば本当にたくさんのことを吸収して帰ってきます。

こくごもさんすうもおんがくも、

丁寧に教わりながら、分かっていくことがうれしいようです。

 

でももしかしたら、じつは集団生活が合わないかもしれない。

もっと学校が嫌になることがあるかもしれない。

 

「行きたくない」と言えなくなってしまわないように、

学校は行かなきゃいけないところ、

という観念を与えないようにしたいと思っています。