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子どもが森のようちえんに通っているとき、
「小学校はどうしよう?」
という迷いがありました。
公立の小学校は住んでいる場所で学区が決まっていますよね。
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私自身は子どもの頃すぐ近くの公立小学校に通いました。
当時「管理教育」色が強く、大人になっても公立学校に抵抗感がありました。
子どもの小学校で迷っているとき、検索して見つけた
「南アルプス子どもの村小学校」
いいな!と思いましたが、
場所が遠いこともあり、あきらめました。
先日、友人のお誘いで映画『夢みる小学校』の上映会に行ってきました。
映画を観ながら、検索で調べたあの学校の映画なんだ~と気付きました。
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Contents
『夢みる小学校』の基本情報
オオタヴィン監督作品です。
きのくに子どもの村学園を中心に、
子どもの自主性を重視している学校の取り組みを撮ったドキュメンタリー映画です。
子どもの村学園は小学校と中学校がある私立の学校です。
全国に5校あります。(南アルプス子どもの村小学校・中学校もその一つです)
ほかに
- 「校則のない公立中学校」世田谷区立桜丘中学校
- 60年間通知表や時間割がない「総合学習」が続けられている伊那市立伊那小学校
が取り上げられています。
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全国900箇所で上映された大ヒット映画「いただきます」シリーズのオオタヴィン監督が「きのくに子どもの村学園」に1年間密着。
ナレーションは、吉岡秀隆。エンディングテーマは、ザ・ブルーハーツ。
出演は、堀真一郎(きのくに子どもの村学園学園長)、福田弘彦(伊那市立伊那小学校校長)、西郷孝彦(桜丘中学校前校長)、
茂木健一郎(脳科学者)、尾木直樹(教育評論家)、辻信一(文化人類学者)、高橋源一郎(作家)
公立の学校でもできる!
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きのくに子どもの村学園は私立ですが、
公立の学校でもかなりのことができるのだそうです。
その一例は、世田谷区立桜丘中学校。
もともとは、ほかの公立中学校と変わらない中学校でした。
10年校長を務めた西郷孝彦前校長により、現在の校則のない学校に変わっていきました。
公立なので、学習指導要領に沿う必要はありますが
通知表を付けることや定期テストを行うことは、
文部科学省で決められているわけではないのだとか。
そう考えると、なぜこんなにも日本の公立学校は一律なんだろうって思いますね。
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学校の主役は子どもと保護者
学校の主役は誰でしょうか?
この問いには多くの人が「子ども」と答えると思います。
きのくに子どもの村学園の学園長は
「子どもと保護者」と言っていました。
あくまで子どもが主役で、子どものことをいちばんに考えているのは親ですもんね。
「先生まかせ」ではなく、保護者も学校運営に参加してほしいという気持ちが感じられます。
しかし、実際には多くの学校では、
教職員がほとんどのことを決めているでしょう。
- 学校のルール
- 教室のルール
- 授業の内容…etc.
決定権が大人にあるのはなぜかというと、
子どもにやらせるととにかく時間がかかるからだと思います。
きのくに子どもの村学園では、
授業でもミーティングでも頻繁に話し合いが行われています。
小学1年生も中学生も大人も、意見の重みは対等です。
皆の合意が得られるまで、なかなか答えが出ないこともあるようです。
僕が、子どもの村の全校ミーティングを撮影をした時は、
【 学校内でスマホを使ってよいか】という
重いテーマで話し合いの最中。ミーテイングは大論争となり長時間続いた。
少数派が納得するまで
この議題は、毎週毎週、
もう2ヶ月続けられている、という。おとなは粘り強く
対話を通してみんなの合意を引き出していく。オオタヴィンfacebookより引用
大人や誰か一部の人が決定権を持っていれば、
決定事項を伝え「これが決まりだよ」と守らせればいい。
これは、子どもたちにとっても楽なことになってしまうことかもしれません。
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そうして大人になったわたしたちは、
政治や会社のしくみに不満があれば文句や愚痴を言うけれど、
憤りながらも仕方ないとあきらめてしまうことが多いのではないでしょうか。
自分の意見が尊重され、相手の意見とすり合わせていく経験をしてきた子どもたちは、
「自分たちが未来をつくっていく」という感覚が持てるように思います。
きのくに子どもの村学園では、大人は対等な立場でありアドバイザーです。
大人の意見が採用されないこともあります。
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映画の中で、子どもたちが試行錯誤しながら作った小屋の1本の柱は
「これが立つのに1か月かかった」と話していたよ!
きのくに子どもの村学園では、大人は対等な立場でありアドバイザーです。
大人の意見が採用されないこともあります。
子どもたちに対して大人がすべきことは、
子どもたちが考え、答えを出すことをじっと待つことかもしれません。
学校は楽しいだけでいい
きのくに子どもの村学園の学園長(だったかな?)が
「学校は楽しいだけでいい」
と言い切っていたのが印象的でした。
学校の目的は何かというと、「学ぶ場所」といえるでしょう。
子ども時代の「学校は楽しかった!」という記憶は、
その後の学びを支えていきます。
きのくに子どもの村学園の授業には、いわゆる5教科はありません。
「プロジェクト」を中心に時間割が組まれています。
プロジェクトは以下の5つです。
- 「劇団きのくに」(表現)
- 「工務店」(木工、園芸)
- 「おもしろ料理店」(食の研究)
- 「ファーム」(農業)
- 「クラフト館」(やきもの、木工)
それぞれ特色のある活動テーマを持ったクラスです。
1年に1回、子どもたちはプロジェクトの中身や、大人や友だちの顔を見て
クラスを選びます。だから、どのクラスもいろいろな学年の子どもたちがいます。引用元:きのくに子どもの村学園
映画の中で、子どもたちは思い思いの姿勢で授業に取り組んでいました。
机に突っ伏しながら何か書いている子もいます。
机の下に寝そべって書いている子もいます。
スタッフは、
「寝そべって突っ伏しているように見えるが、
何かを真剣に考えているところかもしれない」
と話していました。
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姿勢を気にするよりも、子どもが真剣に考えていることの方が大事なんだ
と感じられました
「自分ごと」から「問い」が生まれる
映画の中で、明治学院大学の辻信一教授が
日本人の学生は質問ができない子が多いと話していました。
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質問ができない理由は以下の2つの状態が考えられます。
- 疑問があっても口に出せない
- 疑問に思うことがない
日本の公立学校では
教科書中心の授業で「覚えること」「正解を答えること」が学びの大部分を占めています。
教科書に載っている決められた範囲の中では、
答えのある問いをなぞっているに過ぎないでしょう。
そのため、学校での姿勢が受け身になっているのではないでしょうか。
自分が探求したいもの、つくりあげたいものに
自発的に熱意をもって向かったとき、問いが生まれます。
きのくに子どもの村学園では、プロジェクトを通した自分自身の体験を重視しています。
- 「どうやればいいんだろう」
- 「なぜこうなるんだろう」
- 「誰に聞けばいいんだろう」
「自分ごと」としてかかわることで「問い」が生まれます。
正解のないことを自分で考える力も育っていくと思います。
世田谷区立桜丘中学校の3つの心得
校則のない桜丘中学校では、ただ「3つの心得」があります。
- 礼儀を大切にする
- 出会いを大切にする
- 自分を大切にする
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校長が話していたことで、
中学生とひとくくりにしても、
それぞれまったく違う、それがあたりまえだって話してました。
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わたしたちにできることは?
わが家の子どもは、地元の公立小学校で学んでいます。
現在小学二年生。
子どもが通っている小学校に用事でたまに行くと
教員も子どもたちも楽しそうです。
私が通っていた小学校とは地域も時代も違うし、
子どもが楽しんで通える学校であることに感謝しています。
一方、
- 教職員がおもな決定権を持っていること
- 先生が教壇に立って教える構図
など、多くの公立小学校が引き継いでいる体制は
すぐに変えることは難しいかもしれません。
「支援や配慮が必要」な子どもには加配の教員がついてサポートしますが、
それも「皆一斉に」「皆が平均に」という前提があるからなんだよね…と思ったりします。
行き渋りや不登校も、決められた体制に合わない子がいて当然だと思います。
映画『夢みる小学校』の目的は、
「ミライの公教育がここにある。」というスローガンが伝えています。
つまり、かぎられた一部の子どものための「夢の学校」ではなく
すべての子どもの育ち、学びにとってより良いことをみんなが模索していこう
ってことだと思います。
一人の大人として今できることは、.
- 子どもが楽しく過ごせているか
- 大人と子どもがともに考え、クリエイティブな時間を持てているか
- 子どもの学びを待てているか…etc.
ということを見ていくことかなと思います。
そして、学校の主役は「子どもと保護者」であること。
先生方と保護者で協力していきたいという姿勢を持つことも大切ですね。
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大人が正解を持っているわけじゃない、ってことを忘れずに、
ともに楽しんでいきたいな!
まとめ
いかがだったでしょうか。
自由な校風の小学校に通わせたいけれど、
遠い、経済的に厳しいなどで、実現できない場合があるかもしれません。
映画『夢みる小学校』は、
どんな教育が子どもたちの学ぶ力を育て、子どもたちの目を輝かせるのか
ということを考えるヒントになるでしょう。
- 公立の学校でもできる
- 学校の主役は子どもと保護者
- 学校は楽しいだけでいい
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